これまで耐環境性や信頼性が要求されるアプリケーションではカスタム設計のほか,VME をベースにした製品が多く採用されてきました.VME 規格は25年以上前に開発され長い実績を持っています.しかしながら,最近のアプリケーションで求められるプロセッシング性能や大量で高速のデータ転送能力,そしてシステムの高集積化にともなう多数のI/Oサポートなど,これまでのVME では対応できない要求が増えてきています.
そこで,最新のテクノロジーと実装技術を採用して開発されたのがVPX(VITA46)規格です(図1).VPXはVME規格を開発したVITA と呼ばれる標準化組織により開発さ
れました.
VPX規格はボード・レベルの仕様について規定していますが,多くのオプションが存在しているためベンダ間の互換性を確保することが困難となっていました.このためVPX の採用を検討していた米国防総省の要請により互換性を改善するためのワーキング・グループが発足し,システムレベルの互換性を規定するOpenVPX(VITA65)が策定され,規格の整理がおこなわれました.